品番:KA-060717
鑑定書:Peper(Certificate): 保存刀剣鑑定書
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai):東京(Tokyo)昭和42年(Syouwa)
刃長:Blade length(Cutting edge): 75.6cm(二尺四寸九分強) 反り:Curve(SORI): 1.95cm
元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.4cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.7cm
先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.7cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.55cm
茎:Sword tang(Nakago): 生茎、切鑢目、Mekugiana(Rivet Holes): 1個
体配:Shape(Taihai): (表)=鎬造、(裏)=片切刃造、庵棟、身幅広く健全。
彫物:Engraving: 表に玉追龍、裏に独鈷剣を彫刻する。
地鉄:Jitetsu(Hada): 板目肌、地沸つく
刃紋:Temper patterns(Hamon): 大湾刃紋、小丁子交じる刃紋。
帽子:Temper patterns in the point(Bohshi): 乱れて小丸へ返る。
登録:Others: 東京都
【解説】一貫斎繁政は、本名を酒井寛といい、明治38年、静岡市音羽町に酒井安次郎(刀匠の宮口正寿の弟)の三男として生まれます。大正10年笠間繁継師に入門します。15年近い修行を経た繁政は笠間繁継より繁の一字をもらいます。初銘は繁正。後に繁政に改銘します。昭和8年より、靖国神社の日本刀鍛錬会や大倉日本刀鍛錬所にて作刀しました。昭和16年、東京都板橋区にて独立し。陸軍受命刀匠の認定を受け、更に、昭和19年には、海軍受命刀匠の認定も受けます。戦後は一貫斎繁政と名乗り精力的に鍛刀を続け、(財)日本美術刀剣保存協会の無鑑査に認定されました。平成8年91才で逝去。一貫斎繁政は戦前戦後の日本刀史に深く名を刻む誉れ高い名匠です。
本刀は、表が鎬造り、裏が片切り刃造りになる児手柏と云われる刀で、二尺四寸九分強の刃長、身幅たっぷりと広く豪壮な姿を示した御刀です。表に玉追龍、裏に独鈷剣の繁正の手による彫刻が彫られています。地鉄は評判の通り上手いもので、板目肌が練れて地沸が付く強い鍛地です。刃紋は小沸出来の、大きく湾れた刃に丁子が乱れ込んで、足、葉が盛んに働いています。帽子は乱れ込んで先小丸へ深く確りと返ります。切鑢目地仕立ての茎には力強い刻銘が刻まれています。この刀間違えなく繁正の代表作品であると見受けられます。一際目を引く変わり造の御刀に、入念な彫刻が施された一貫斎繁正の傑作刀です。白鞘、銀二重はばき。保存刀剣鑑定書。
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