鑑定書:Paper(Certificate): 特別保存刀剣鑑定書
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai): 備前国,岡山県(Bizen) 室町時代末期 永禄十三年(Muromachi era 1570)
刃長:Blade length(Cutting edge): 65.6cm(二尺一寸六分強) 反り:Curve(SORI): 2.0cm
元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.01cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.84cm
先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.50cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.65cm
拵全長:Length of Koshirae: 約 95cm 茎:Sword tang(Nakago): 切鑢目、目釘穴1個。
体配:Shape(Taihai): 鎬造、庵棟、中切っ先延びる。
地鉄:Jigane(Hada): 板目肌、映り立つ。
刃紋:Temper patterns(Hamon): 互の目乱れ刃紋。
帽子:Temper patterns in the point(Bohshi): 乱れて小丸に返る。
登録:Registration Card: 群馬県
【解説】備前国住長船祐定作、永禄十年二月吉日の年紀が入った御刀です。室町時代後期の備前長船刀工を総称して末備前と称します。長船鍛冶の中でも祐定の一派は特に名を高めて後代まで長きに渡り繁栄しました。銘鑑によれば銘文に俗名を冠している与三左衛門尉、源兵衛尉、彦兵衛尉祐定らを筆頭として二十数人挙げられています。末備前の作風は多岐にわたり腰の開いた互の目乱れから互の目が複雑に乱れるもの、直刃に至るまで様々であり稀に皆焼の作も見られます。
本作は、戦国時代の数打刀と称される束刀ではなく、銘と年紀がキッチリと刻された注文打の備前刀で、その昔は名の有る武将の帯刀で有ったことが判ります。注文品は鉄質も良く造り込みも入念作ばかりであり鍛えの優れた優品ぞろいです。鉄質が良いということは本刀の茎を見ても一目瞭然です。
体配は、当時は片手打と称される、刃長が2尺から2尺2寸ほどの御刀が多いもので、本作の二尺一寸六分強という長さは片手打そのものの時代を反映した長さの刀ということです。身幅は元先が確りとして手元に重心が来るように造り込まれ、深く反りが利いて姿が良く整い、実戦を常に考慮した精悍な姿です。地鉄は板目肌が練れた鍛えで映りが立ちます。刃文は匂勝ちの複雑な互の目乱れに小沸が付く末備前祐定の典型的な作風を示しています。刃中には足、葉、が働きます。帽子は乱れて小丸へ返ります。茎は鉄味の良さを反映して艶があり鑢目と銘がしっかり残る状態です。戦乱の世に生まれた御刀で遊び心が無く、厳しさをしみじみと感じ得る一振です。本刀は備前国住長船祐定作之、永禄十三年八月吉日の年紀が入った祐定の注文打刀です。素晴らしい朱石目地塗鞘打刀拵がついて内外揃った立派な御刀です。白鞘、附 朱石目地塗鞘打刀拵、金着せ一重はばき。保存刀剣鑑定書。
好评度
发表评论