鑑定書:Paper(Certificate): 第56回重要刀剣指定 / 拵:特別保存刀装具鑑定書
国・時代:山城国,京都府(Yamashiro) 鎌倉時代末期 元弘頃(Kamakura period about 1331~)
刃長:Blade length(Cutting edge): 28.8cm(九寸五分)反り:Curve(SORI): 0cm
元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.01cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.42cm
先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.60cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.30cm
拵全長:Length of Koshirae : 約43cm
【重要刀剣図譜より】
形状 平造、三ッ棟、身幅広く寸延びて、重ね薄め、反りなし。
鍛 板目に杢・流れ肌交じり、地沸厚くつき、地景細かによく入り、沸映り立つ。
刃文 小のたれに互の目・小互の目交じり、足入り、匂深く、小沸厚くつき、金筋入り、砂流し随所にかかり、表は焼頭に沿って湯走り風入り、匂口明るく冴える。
帽子 共に浅くのたれて入り、丸く返り、表は先細かく掃きかけ、裏は棟際に沸の喰い下がり風入る。
茎 生ぶ、ごく浅い刃上がりごころの栗尻、鑢目切り、目釘孔二、指表第二目釘孔の下中央にやや大振りの三字銘がある。
彫物 表裏共棟寄りに刀樋を、表は掻き流し、裏は掻き通す。
[説明]
来国光は、通説に来国俊の子と伝え、鎌倉時代末葉より南北朝時代前期にかけて活躍し、現存する作刀に見る制作年紀の上限は嘉暦元年で、下限は観応二年である。彼には、伝統的な真の直刃のほか、直刃調に小互の目・小丁子を交えるもの、直刃調に小乱れごころのもの、のたれ調に互の目を交えるもの、また互の目主調の乱れのものなどがあって作風が多岐に亘っている。
この短刀は、三ッ棟で身幅が広く寸が延び、反りがつかないという、同工・同時代の姿で、地鉄は板目に杢・流れ肌が交じり、地沸が厚く地景が細かによく入って沸映りが立ち、刃文は小のたれに互の目を交えて明るく冴えるという、地刃に山城物の美点が表出した作品である。同作中の短刀では大振りの堂々たる一口で、沸映りが鮮明であり、焼はさほど高くないものの、小のたれや互の目の変化に趣があり、金筋・砂流しなどの働きも豊かで、短刀ながら見応えのある出来映えとなっている。
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