山城守国清は通説には島田助宗三代目の子で信州松本に生まれ、はじめは吉右衛門と称して助宗と銘したといいいます。のちに上洛して堀川国広に入門し鍛錬の技を学び国清と改めます。師の没後に松平忠昌に仕え、元和四年主家の転封に従って越後高田へ、寛永元年に越前転封によって福井に移住し屋敷を賜ります。寛永四年に越前大掾を受領し菊紋を許されます。翌年山城守に転じています。慶安二年没六十歳でした。
種別・銘
金梨子地閑院宮家紋唐草蒔絵鞘糸巻太刀拵
Kinnashiji kaninnomiyakamon karakusa makiesaya itomakitachi koshirae
鑑定書・資料 第六十四回重要刀装指定 [N.B.T.H.K]Juyo Toso No.64
寸法 長さ(Full length)101.5cm 総反り(Full sori)4.2cm
柄長さ(Tsuka length)24.5cm 柄反り(Tsuka sori)0.8cm 鞘長さ(Full length)77.0cm 鞘反り(Saya sori)2.8cm
時代 江戸時代後期
品質形状
総金具 (兜金・猿手・縁・口金物・足金物・柏葉・石突)、閑院宮家紋唐草図、赤銅磨地、毛彫、小縁金色絵、無銘。
鍔 刳込葵木瓜形、赤銅磨地、毛彫、四方猪目透、鋤残三棟金色絵覆輪耳、無銘。
太鼓金 素文、赤銅磨地。
目貫 毛抜形、閑院宮家紋図、赤銅地、容彫、金色絵。
切羽 素銅地金着二枚、銀無垢二枚。
柄
練色金襴着、黄橡色糸平巻。
鞘 金梨子地閑院宮家紋唐草蒔絵。
渡巻 柄巻に仕立同様。
帯執 燻革
佩緒 白・紺・紫・萌葱色糸亀甲組
説明
糸巻太刀拵は、近世における武家の兵仗・儀仗太刀拵の一つであり、また寺社奉納や贈答用太刀拵として上層武家において多く用いられた拵様式である。総金具は赤銅魚子地に金で家紋を散らし、鞘の多くは金梨子地、稀に金沃懸地とし、家紋を蒔絵や金金貝であらわしている。柄及び渡巻には金襴を着せた上に糸巻をするところからこの種の太刀拵を糸巻太刀拵と呼称している。
本作は鞘および総金具に閑院宮家の菊御紋があらわされた太刀拵であり、鞘の蒔絵は華麗に、金具の毛彫は的確入念に施されている。拵袋に附帯する木札には閑院宮孝仁親王御料とあり、真意の実証はないものの、同家に由々しく伝来したものであることは想像に難くない。総じて綺麗に纏まった一作で流石にその伎倆とともに品格が高い。
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