鑑定書:Paper(Certificate): 第55回重要刀剣指定
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai):山城国,京都(Yamashiro)・ 鎌倉時代中期 康元頃(Kamakura era about 1256~)
刃長:Blade length(Cutting edge): 69.45cm(二尺三寸弱)反り:Curve(SORI): 1.6cm
元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.18cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.81cm
先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.50cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.60cm
【重要刀剣図譜より】
形状 鎬造、庵棟、身幅広く、元先に幅差あり、反りやや深く、輪反り風つき、中鋒やや延びる。
鍛 総じて小板目肌細かにつみ、僅かに大肌を交え、地沸微塵に厚くつき、細かな地景入り、淡めに沸映り立つ。
刃文 中直刃調に小丁子・小互の目交じり、下半処々焼頭に小模様の飛焼・湯走りかかり、刃中足・葉よくいり、匂深めに小沸厚くつき、ささやかな砂流しかかり、匂口明るく冴える。
帽子 乱れ込み、やや尖りごころに小丸に返り、表やや沸崩れる。
彫物 表裏に二筋樋を掻き流す。
茎 大磨上、先切り、鑢目切り、目釘孔三、無銘。
説明 国行は、来派の事実上の祖であり、短刀の確実な遺例は僅かに一口のみであるが、太刀の在名作は比較的多い、国行の作刀には製作年紀を添えたものは皆無で、その子と伝える二字国俊に弘安元年紀があることから、通説の康元頃という年代は妥当とみられる。彼の太刀姿は、細身、尋常なもの、身幅がたっぷりとして豪壮なものなど種々見られる。
この太刀は大磨上無銘であるが、輪反りごころがなお深くつき、幅広の豪壮な姿態を呈し鎌倉中期の時代色をよく示している。地には沸映りが立ち、刃文は小丁子、小互の目など複雑に乱れて、変化をみせており、焼頭に小模様の飛焼・湯走りがかかる様には同工の特色が明示されている。僅かに大肌を交えるものの、地刃が健全であり、同工の特色を顕現した優品である。
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