鑑定書:Paper(Certificate): 特別保存刀剣鑑定書
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai): 肥前国,佐賀県(Hizen)・江戸時代中期・寛文頃(Middle Edo period 1661~)
刃長:Blade length(Cutting edge): 54.2cm(一尺七寸八分半) 反り:Curve(SORI): 1.4cm
元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.2cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.77cm
先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.8cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.63cm
茎:Sword tang(Nakago): 生ぶ。切鑢目。目釘孔1。
体配:Shape(Taihai): 鎬造、庵棟、中切先。
地鉄:Jigane(Hada): 小板目肌がよくつみ杢目肌風。
刃文:Temper patterns(Hamon): 直刃。
帽子:Temper patterns in the point(Bohshi): 小丸に返る。
登録:Registration Card: 東京都
【解説】
肥前忠吉家嫡流二代目、近江大掾忠広は、初代忠吉の嫡子で平作郎といい、寛永九年から作刀が見られ、同十八年七月に近江大掾を受領、元禄六年八十一歳で歿している。この間作刀歴は六十有余年におよび、肥前刀中でも最も多くの作品を遺している。
陸奥守忠吉は、近江大掾忠広の子で、万治三年に陸奥大掾を受領、翌寛文元年には陸奥守に改名。貞享三年、八十歳の高齢をもって天寿を全うした父に先立って、五十歳の若さで没しています。二代近江大掾忠広が嫡子陸奥守忠吉(三代目)の亡き後は孫の近江大掾忠吉(四代目)を指導したと伝えられています。このように陸奥守忠吉は作刀期間が短かった事、父の代作に任じていた期間が長かったことで、在銘遺作は極めて少なく、特に本品のような忠広と忠吉の合作刀で二人の在銘品は大変貴重な御刀ということになります。
この脇差は、身幅重ね尋常、鎬筋凛とし、適度に反って肥前刀らしく上品な姿を呈した美しい御刀です。鍛えは、小板目肌がよくつみ杢目肌風になる明るく冴えた地金です。刃文は、二人が最も得意とする小沸帯状について明るい匂いが連なる直刃を焼いて、小沸が均一で冴えた匂い口は柔らかく、刃縁には細かな金筋、砂流しかかり働きます。帽子はそのまま小丸へ返ります。刻銘は、確りと深い鏨で刻さており錆味も良いです。このように、近江大掾忠廣、陸奥守忠吉の端正な仕上がりの一振りで、二人の特色が顕著に示された脇差の優品です。金着せ二重はばき、特別保存刀剣鑑定書。
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