刀 栗原謙司信秀 安政二年十二月日 特別保存刀剣鑑定書
品番:KA-090323
価格 (price)6,000,000円(JPY)
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鑑定書:Paper(Certificate): 特別保存刀剣鑑定書
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai):武蔵国,東京都(Musashi)・江戸時代後期 安政二年(Late Edo period 1885)
刃長:Blade length(Cutting edge): 71.2cm(二尺三寸五分) 反り:Curve(SORI): 1.8cm
元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.24cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.65cm
先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.70cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.55cm
茎:Sword tang(Nakago): 勝手下鑢目、目釘孔1個。
体配:Shape(Taihai): 鎬造、庵棟、中切先延びる。
彫物:Engraving: 表に龍、裏に独鈷剣を彫刻する。
地鉄:Jigane(Hada): 板目肌よく詰む。地沸つく。
刃文:Temper patterns(Hamon): 互の目乱れ。
帽子:Temper patterns in the point(Bohshi): 乱れて小丸へ返る。
登録:Registration Card: 東京都
【解説】栗原信秀は文化12年(1815)越後に生まれました。信秀は幕末の巨匠・源清磨門の第一人者でありましたが、入門の年齢は遅く、嘉永元年(1848)で三十四、五歳の頃とされています。それ以前は鏡師でした。転職した頃には既に家族もあり、加えて師の清磨とは僅かに二歳ちがいと言うわけで相当の苦労があったっと想像されますが、才能があった信秀は短い期間で清磨の技を吸収してしまい、嘉永5年(1852)に独立しました。伊豆浦賀、江戸上野で仕事をしていましたが、慶応元年には京都に上り、孝明天皇から「筑前守」を受領します。信秀は人気刀工清麿の高弟として作風を継承しているほかに、刀身に竜や不動、梅枝など緻密な彫りをいれたため、特に人気があります。栗原謙司信秀、栗原信秀、栗原筑前守信秀、筑前守平朝臣信秀、信秀などと銘を切りました。明治になって天皇の御番鍛冶に任命され、明治5年(1872)には天皇に佩刀を献上し、7年(1874)には政府の命により建立された神社「招魂社(今の靖国神社)」の御鏡三面を打ち上げて、最高の名誉を受けて故郷三条に帰ります。三条八幡宮の御神鏡や弥彦神社の御神鏡などが代表的な作品です。
この御刀は、2尺3寸5分と十分な刃長で、身幅も元先広く、切っ先が延びる豪壮な姿に、龍を表に、裏に独鈷剣の彫刻を刻した上出来の作品です。地鉄はよく詰んだ木目肌鍛に地沸が微塵につき、沸粒が一面に広がって星のように輝く強靭な地鉄です。刃文は、匂い深く小沸付いた互の目乱れで、刃縁についた荒沸粒が地にこぼれる冴えた刃です。足入り、葉、砂流しが働きます。表裏の彫刻と相俟って誠に覇気ある一振りに仕上がっております。茎は、鑢目、刻銘、きっちりとして気持ちが良く、茎千両と云える保存状態です。本作、遺作の中でも彫刻が特に見事であり、出来も上々であることから、栗原信秀の代表作品であることは間違い無い大変貴重な一振です。白鞘、金着せ一重はばき、特別保存刀剣鑑定書。
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