鑑定書:Paper(Certificate): 第56回重要刀剣指定
国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai):備前国,岡山県(Bizen)・鎌倉時代末期(Kamakura era about 1321~)
刃長:Blade length(Cutting edge): 64.5cm(二尺一寸二分八厘)反り:Curve(SORI): 1.65cm
元幅:Width at the hamachi(Moto-Haba): 2.6cm 元鎬重:Thickness at the Moto-Kasane: 0.63cm
先幅:Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 1.65cm 先鎬重:Thickness at the Saki-Kasane: 0.50cm
【重要刀剣図譜より】
形状 鎬造、庵棟、細身、元先の幅差頃合、反りやや高く、腰反りつき、先にも反り加わり、中鋒。
鍛 板目肌、少しく流れ、地沸厚くつき、地景入り、処々地斑交じり、淡く映り立つ。
刃文 細直刃基調に小乱れ・小互の目・小丁子交じり、小足よく入り、匂勝ち小沸つき、僅かに金筋・砂流しかかり、匂口うるみごころ。
帽子 直ぐ調に小丸風に返る。
茎 磨上、先切り、鑢目(旧)筋違・(新)勝手下がり、目釘孔三個、佩表茎先棟寄りに細鏨の二字銘がある。
説明 鎌倉時代末期に備前国和気庄に在住した刀工に重則と重助がいる。両者の現存作は稀有であるが、重則には元享四年紀の作が現存し、また重助には嘉暦三年紀の作があるなど、両工の活躍した時代を窺い知ることが出来る。和気は古備前刀工の故地推定地の一つに挙げられ、一説に彼らも古備前の流れを汲む刀工と言われるが詳らかでない。その作風は小板目に乱れ映りが立ち、直刃調に小互の目を交え、帽子が浅くのたれて小丸に返るなど当時の長船物に近いものがある。
この太刀は、細身であり、鍛えに映りが立ち、刃文は細直刃を基調に小乱れ・小互の目・小丁子を交えて小足がよく入り、匂勝ちとなるなど、鎌倉時代後期の長船物に近似するが、乱れがややこずみ、小互の目が交じるところなどに和気一門の特色が現れている。和気重則の在銘品は稀有であり、同工及び同派の作風を知る上で、本作は大変貴重な資料となる。
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