刀　相州住綱廣　附 変塗鞘打刀拵　特別保存刀剣鑑定書　末古刀上作

品番：KA-010525

鑑定書：Paper(Certificate): 特別保存刀剣鑑定書

国 Country(Kuni)・時代 Era(Jidai)：相模国,神奈川県(Sagami)・安土桃山時代 文禄頃（Azuchimomoyama period about 1592~）

刃長：Blade length(Cutting edge): 72.0cm（二尺三寸七分）　反り：Curve(SORI): 2.2cm

元幅：Width at the hamachi(Moto-Haba): 3.0cm　元鎬重：Thickness at the Moto-Kasane: 0.70cm

先幅：Wide at the Kissaki(Saki-Haba): 2.40cm　 先鎬重：Thickness at the Saki-Kasane: 0.60cm

拵全長：約104.5cm　茎：Sword tang(Nakago): 切鑢目、目釘孔3個。

体配：Shape(Taihai): 鎬造、庵棟、中切先。

地鉄：Jigane(Hada): 板目肌に杢目を交える。

刃文：Temper patterns(Hamon): 大互の目乱れ皆焼風となる。

帽子：Temper patterns in the point(Bohshi): 直ぐで先尖り心に返る。

登録：Registration Card: 鹿児島県

【解説】

本作は古刀期より代々続く相州綱廣の三代目作と鑑せられます。名を山村宗右衛門と称し、鎌倉の扇ヶ谷に住しました。後に津軽藩主の招きにより、弘前に移りて大小三百振りの腰刀を鍛刀し、慶長十一年業を終わりて帰国します。寛永十五年二月二七日没。九一歳の長寿でした。同家は明治、大正期の十五代まで繁栄しました。

本刀体配は、刃長が二尺三寸七分、身幅重ねは尋常、反りよく利き、フクラやや枯れ心に中切っ先が延びた刀姿の一振です。地鉄はよく詰んだ板目肌に処々杢目を交え、地沸付き、精美な鍛です。焼刃は小沸出来の大互の目乱れを主として、丁子刃、尖り刃、矢筈刃などを交えて、頻りに飛焼かかり、皆焼風となる誠に覇気のある刃文です。帽子は勢いを抑えて上品に直ぐで、先尖り心に返ります。拵鞘は黒呂と腰元変わり塗、金具は銀無垢いぶし銀金具で揃えられています。本品は、三代目相州綱廣の優品です。特に迫力のある皆焼風の焼刃は見所であり、相州伝の妙技を堪能いただける御刀です。白鞘、銀着一重はばき、変塗鞘打刀拵、特別保存刀剣鑑定書。